薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

2018.04.13-Lesen

 

少女地獄 (角川文庫)

少女地獄 (角川文庫)

 
 

 再読。手持ちの表紙のものが好き。

 妾その時にツクヅク思ったわ。女なんて滅多に慰めて遣るもんじゃないって。何を泣いているか知れたもんじゃないんですからね。

 妾は新高さんと夫婦心中してみたかったのです。そうして出来るなら自分だけ生き残ってみたかったのです。

 「したかった」ではなく、「して〝みたかった〟」の部分に宿る少女性。夢野久作のなかには、カッコとした少女がある。姫草ユリ子のように。

 彼女は殺人、万引、窃盗のいずれにも興味を持たなかった。ただ虚構を吐く事にばかり無限の……生命が毛の興味を感ずる天才娘であった。

 虚構うそつき娘、姫草ユリ子像が文面から何れだけはっきり立ち上がってくることか。『少女地獄』は大好きな本だ。