薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

vichyssoise

 セブンイレブンで買ったパウチのじゃがいもスープをのみながら、あ、ヴィシソワーズ作りたいな、と思った。ヴィシソワーズは中学の家庭科で作ったことがあって、私は中学のあのときに作ったものはたぶん容易く作れるという傲慢がある。例えばホワイトソース。例えばわらび餅。料理は嫌いではない。たぶん、時間を掛けるほどの価値を見つけられないだけだ。

 通院。火曜に体調が悪く、家人Cさんに薬だけ受け取りにいって貰ったのだけれど、もうそういうことを何度もしているので、かおを見せに行った。親類に逢いにゆくみたいな云い樣である。しかし医師は私が通院することをどう思っているのか知らないが、「今週もわざわざ来てくださって本当にありがとうございました」といつも云う。どのあたりの恩義なのだろう。
 薬は前述通り火曜に貰っていたので、診察的ななんらかの会話を交わしただけで済んだ。叔父が遭難しているんです、と云うと、「そうなんだ〜そうなんですか〜そうなんだね〜」と返事をするので、このひとは若干のボキャブラリに関するセンスが欠けているのではないかと疑った。そうなんだ〜。って、云うか? 遭難の話をしているときに。

 と、恙なく受診を終え、ファミリィレストラン「ガスト」へ。Cさんは鰻を食べる。鰻を食べることは目下世間的に良しとされていないが、これは元町二十四軒さまもおっしゃっていたことで「現在鰻を食べるなと云ってくる奴らは大抵、今までの人生で俺よりも鰻を食べてきた」、そうだろうね。だから納得ゆかないよね。ちなみに日曜には浜名湖付近にいってきたわけだが、稚魚に孵すのが難しい(お金が掛かる)だの、養殖鰻は絶滅に関係無いだの、養殖鰻は稚魚になったものを囲っているだの、ではその稚魚を養殖に使わなかったら天然の鰻が増えるのかと云われれば、それは他の魚に喰われてしまうんだよ、だの、だの、よく解らなかった。複雑な問題だと思った。朱鷺だって飼っていたのではなかったか?

 ガストに居ると、大抵我が子に対して物凄く口汚い親が居る。ヤンキーなのかな、と思う。マイルドヤンキー? 子どものことを「お前」と呼び、「それ触んな云うてるやろうが!」などとどやしつける。こういう親に育てられた子どもは乱暴な人間になるんだろうと私は勝手に思っている。だって子どもは一応、親の背を見て育つものだからだ。
 それからドリンクバーを伴い仕事をしていると、とても煩いゲーム音が聞こえてきて、あまりに酷いので隣のテーブルにつかつかと歩み、
「すみません音量下げていただけませんか」と苦言を呈してしまった。こういう行動に出るほどのことをするのはあまりよろしくなさそうだと思うけれど、たぶんほんの幼い子どもに、iPhoneYoutubeを見せていたのだ。ピコンピコンと大きな音を出しながら。先ず、そのYoutubeを見せて大人しくさせようとするのではなく、幼児と対話してあげたらいいのに。
 今日の私は説教臭い。
 22時ごろまで、Photoshopで画に色をのせていた。

 その帰りに郵便局にも寄った。5円切手をすべての封筒に貼り、200円を各々にプラスして貰ったが、レジを間違えて205円掛ける冊数で計算されたので指摘したら、丁寧に謝ってくださった。それは良いのだが、
「あ、すみません、間違えて。ごめんなさい、すみませんね」
「あ、いえいえ、こちらこそ」

 私は何がどうこちらこそだったのだろう?

 そう云えば医師が「わざわざ来てくれてありがとうございます」と云うときも、「あ、いえ、こちらこそ」と答えた自分を思い出した。私は「こちらこそ」を非論理に発するらしい。丁寧にひとに接したいとは思うけれど、こちらこそ何だったのか判らない場合には気をつけようと思った。


 0:20〜02:30 睡眠、
 あ、いえ、こちらこそすみません。に注意する。

 そう云えば寝る前にニュースを聞いた。今は云えない。