薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

Do you have iodine tablets?

 アマゾネスで『チェルノブイリ』第1話を観ました。
 ナヤミリ氏がtwitterで「怖かった!」と云うので関心を示したら、「観て! 観て! みて!!!」という感じで、無料で公開されていたものです。「mite!!」熱いコール。

 

 少し前のこの日記で、私はチェレンコフ光を見た瞬間の即死に憧れているというようなナメたことを書いていますが(しかし憧れますが、ロマンチストですよね)この事故では空気の色が奇妙に見えて、それはチェレンコフ光が混ざっているからだったのですね(即死しないレヴェルで)。原発自体の崩壊というよりも周囲の街一体の被曝をリアルに感じます。屋根が燃えているだけと過小評価された事故で集まった消防士は「金属のあじがする」と云います。何処から炎が降ってきたわけでもなく、その空間自体が被曝する世界。
 全5話、毎木曜日公開。これはAmazo Primeの民は課金するのかな? しないでも観られるのかな? 全5時間以上、史実を認め続けたいと思います。

 ナヤミリはなんでそんな怖かったん? と訊くと、手が爛れたりするシーンが怖い、目に見えないもので顔が爛れていくとか怖い、という返答でしたが、そもそも目に見えないものじゃないよね、放射能だよね。私量子力学、好きだし。と、ずれた返事でちょっと暢気者のように怖がらない私。いや、あれは分子とか原子の核であって、目に見えないものではない。「その考えはなかった」とナヤミリ。
 やっぱりさ、メルトダウンを防ぐにはどう動くか、とか、ヨウ素の錠剤の備蓄はあるか、とか、人を死なせない為に頭を働かせなきゃいけないから、怖いというのとは違うと思う、特に物理化学を齧っているからそうだと思う。と云い、「私たちだって福井の原発が壊れたらすぐ被曝するでしょ」と、そう、チェルノブイリもフクシマも外の世界として怖がるよりも私は当事者なのだと思う。自分が死にたいのと(普段から常駐する希死念慮)非常時に人を死なせたくないのは違うからね。でもやっぱ怖いよ。とナヤミリ。爛れとか無理だよ。私、広島の語り部のひとにお話聴いたあと、肩とか背中とか見せて貰ったことあるよ。ひぇ……むり……。無理っていうか、事実だからなあ。でも怖いよ。
 でも世の中怖いものだらけだよ。
 それな。
 人間は怖い。
 しかも自分自身がまた怖い。
 それよな。

 と、語り合ったのでした。