薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

秋山真琴『ノイエ・エイヴィヒカイト』

ノイエ・エイヴィヒカイト

 秋山真琴さんの『反理想郷にさよならを』という本を9月の文学フリマ大阪で購入して少しずつ読んでいるのですが、この本の収録作品の一部はブクログのパブーの頁からDLしたり購入したりしていたので、iMacに向かっているときにちらっとモニタに広げて読む分は電子書籍で読んでいます。パブー版とは加筆されていたりしていたら文面が変わってしまうわけですが、勿論パブーで購入したときだって面白そうだったから購入したわけで問題は無い。パブーに関しては、あとは縦書き装備があれば良いのに惜しいことです。

 『反理想郷にさよならを』は赤い表紙がとても綺麗なのですが、こちらの表紙も良いです。この蒼をまとった美人が秋山さんご本人ですね。たぶん嘘ですね。題名は獨逸語かな、と思って調べました。Ewigkeitです。

 この小説に限らず、秋山真琴作品には、「世界の終焉と再生」というモティーフが多いように思います。壊して再生させてやりたい感情とは愛情、世界への(生への?)愛着なのか。それは優しさに似ている気がするようです。それとも世界破滅という物語に執着する少年のような心なのか*1
 先日ミュージシャンの大森靖子さんがギターを思い切り叩きつけて破壊しながら「作る為に壊すんだよ」とを云っていらっしゃいましたが、つまりこの論理に則ると秋山真琴作品もロックである。これは新説ではないかと思います。たぶんね。ロックは、良いです。

*1:流行語で云うと中学2年生シンドロームってやつです。てへ。