薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

カジュアル抜歯

 定められた時刻に定められた場所にゆくことが病的に出来ないことが、ひきこもり体質に拍車を掛ける。ので、15時半に歯科医院に立っていることなんて到底無理だ、と冷や汗をかきながら震える手で何故かYouTubeが流れている、という本当に駄目なひとだったのですが、頑張れ自分ちゃんとしろ自分ちゃんと頑張れと御念仏のようにひやひやと、歯科にゆきました。ところで私のアカウントのYouTubeチャンネルは、油断するといつの間にか【閲覧注意】に絶対辿り着くようになってしまうのは何故なのでしょう。

 歯科の先生は2度目に診て貰うのですが、
「これどうする?」「抜くんですか?」「まあいつでも抜けるけど」「じゃあ抜いて下さい、いつですか?」「今日でもいつでも」
 今日でもいつでも奥歯を抜いてくれるという軽い口調に謎の頼もしさを感じる。「じゃあ今日抜いて下さい」とサクッと。

 二十歳くらいのときに親不知を抜いたときは、歯科ではなく口腔外科にゆかされて、術後1週間ほど痛くて堪らなかったし、かおに熱冷ましの冷却シートを貼り付けてお粥を食べていたことに想いを馳せていたら、先生が20秒もしないうちに「抜けたよ。終わったよ」と親不知が圧迫していた奥歯を抜いて下さったので驚嘆しました。

 施術が巧いこととは関係無く、先生はマジで福山雅治に似てるし(マスクしているから顔半分見えませんが)声も福山雅治に似てるし優しいしお手軽に麻酔を掛けてお手軽に大きな奥歯を抜いてくれるし素晴らしいです。

 みたいなことを省略して家人Cさんに「歯医者さん福山雅治に似てる」と伝えたら「は? 似てないし」と云われました。いや、あなたは歯医者さんの先生見たことないでしょ。だいいち私は福山雅治が好きなのとか云ってないし、実際にファンであるわけではない。意味の解らないところで変なかおをしないように。

「でもサクッと抜歯したんだよね。カジュアルだよね」「カジュアル抜歯!」「カジュアル抜歯!!」

 台灣に居た頃から、親不知が奥歯を圧迫して痛くて痛くて、夜更けに血迷って、「抜歯 セルフ」でweb検索したりしていましたが、自分で抜歯すると最悪死ぬ可能性が高いらしいし、セルフ抜歯しなくて良かったです(普通はしない)No セルフ抜歯! Yes カジュアル抜歯!!(?)

 お勤め帰りのCさんと、café de Curieで夕食を摂って帰りました。お勤め帰りに待ち合わせすると、Cさんがスーツ着ているから、変な感じ。

 大事なことは、No セルフ抜歯! No セルフ抜歯!(普通はしない)