- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1976/11/29
- メディア: 文庫
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再読。手持ちの表紙のものが好き。
妾その時にツクヅク思ったわ。女なんて滅多に慰めて遣るもんじゃないって。何を泣いているか知れたもんじゃないんですからね。
妾は新高さんと夫婦心中してみたかったのです。そうして出来るなら自分だけ生き残ってみたかったのです。
「したかった」ではなく、「して〝みたかった〟」の部分に宿る少女性。夢野久作のなかには、カッコとした少女がある。例えば姫草ユリ子のように。
彼女は殺人、万引、窃盗のいずれにも興味を持たなかった。ただ虚構を吐く事にばかり無限の……生命が毛の興味を感ずる天才娘であった。
虚構つき娘、姫草ユリ子像が文面から何れだけはっきり立ち上がってくることか。『少女地獄』は大好きな本だ。