薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

drop

 ふ、とした瞬間に闇が落ちる。死にたい、というか、消えたい、というか、死ななきゃ。というか。誰かの抱えているどうしようもない闇を想う。もう駄目だ、と思う。
 けれど、耐えればまた浮上出来る。

 このあいだね、実は薬いっぱい飲んじゃったから、
 お皿洗ったりごはん作ったことは分かってるんだけど、記憶がすこーんと2日分抜けちゃっててさ……。

 と、軽く笑いながら家人に告白した。実は黙っていたこと。

 あの闇がくる瞬間、線路の前にいたら、ビルの上にいたら、マンションの屋上にいたら、私はちょっと自信が無い。
 最近、具合が悪いめになったのかも知れない。

 眠る前に鬱状態が酷くなってぼろぼろ泣きながら、眠い家人を困らせながら、しかし彼はわりとそれでも眠るひとで、私は泣いて、うどんを茹でて食べて、泣きながら寝た。炭水化物を入れるとわりと眠れる。引き換えに体重をいただくので本当にありがたくはない。

 私がいなくなったあとの部屋。この人形もあるのに、筆記具もあるのに、私は、いなくなる。
 良くないな。