薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

夜の街

 Cさんも私も風邪気味。夜、シングルズのバーテンさんをCさんが務めることになっているので出掛ける。ズブロッカのロックはやっぱり美味しい。お客さん少し。Cさんはシェイクが苦手だと云うのでバラライカを「私の一番好きなお酒なの」とプレッシャを与えつつ作って貰う。ウィルキンソンウォッカは美味しい。サントリーのはあまり好きじゃない。結局、ズブロッカ3杯、スクリュードライバ、バラライカ

 閉店後夜の梅田を歩きながら、夜の街なんて大嫌いだと思った。雨が余計に惨めにさせた。夜の街に住んでいる煙草とお酒のなかで這いずり回る人生だけが本物の人生であるかのようなかおしているひとたちはみんな嫌いだ半ば忌まわしいほどに思って泣きそうだった。のどかな自然溢れる場所がいいとかそういうわけでもなくて、でも都市の繁華街の喧噪に埋もれることが心地好くなったら神経的にお終いだとか思った。色んな素敵なミュージシャンも作家も、こんな風に夜の街を泳いでお酒を呑むのだろうかと思うと凄く何も信じられない気分になった。あったかい場所は何処にあるのか。心休まる場所は何処にあるの。もしもそういう場所にいたとして、ぬるま湯に浸かった日和見の寝ぼけ羊にならないでいられるだろうか。思考がぐるぐるして、何を信じればいいのかわからない。ただギリギリのスピードで回転する刃でありたい。