薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

図書館譚譚

 祝日。秋分の日。

 図書館で12冊ほど借りる。色々と楽しい。特に児童書の棚が楽しい。小学生のときに図書室のなかで借りるものを定めるときの楽しくてたまらない気持ちを思い出す。が、児童書はほぼその題名は憶えているが作者名までははっきりした記憶が無い。しかし図書館では五十音順に本が並んでいるので、何かこれと云って探すときは大変かも知れない。検索の端末を使えばまあ、いいのだけれど。少し大きくなってからは、本は作者名の方に重点を置いて探すようになった気がする。どちらがどうとも特記することは思わないけれど。

 地獄のキッチン、という単語を思い出す。そういう題名の本が小学校の図書室にあったと思うのだけれど、今検索してみてもAmazonさんちでも出てこない。勘違いなのかな。不穏な単語だし、何なのだろう。
 「ふしぎなお人形」という1年生か2年生のときに学級文庫にあった大好きだった本は、次に行ったら探して借りる、決定でよろしく。と、今検索したらルーマー・ゴッデン作と書いてあるではないの。なんだそうなんだ。「人形の家」と同じ作者なんだな。
 今日の貸出し12冊めに最後に選んだのが「人形の家」で、わたしにとって「人形の家」というとイプセンではなく、断然ルーマー・ゴッデンなのです。岩波少年文庫なのです。これはもう、揺るぎないことなのです。「ふしぎなお人形」も「人形の家」も同じ作者だとは知らずにいた。鼻が利くではないか、小学校低学年の自分よ。

   ***

 図書館から歩いてすぐのカマタ商店さんで昼食。マスキングテープを1セット(3つ入り)を購入する。6mm幅というちょっと珍しくて可愛らしいもの。「mt slim B」と書いてある続きに色の名前があるのだが、これが「ピーチ・ハッカ・空」という単語なのが良いと思う。「黄緑・水色」ではないところが。カマタ商店さんはマスキングテープが割とお買い得な値段である気がしますので、ご来店なさって下さい(宣伝)。ああしかしわたしはマスキングテープを最近ちょっと、増やし過ぎであるだろうよ、そうだろうよ。キリがないのね、きりきり舞いにくるくるピルエットでキリがない。

   ***

 図書館に行ったそもそもの目的は馬場めぐみ氏の短歌が載っているという「短歌研究」という短歌の雑誌を探しにいったのだが(大きめの本屋へ行くより図書館の方が近い、くらいにうちの近所には本屋が無い)、角川書店の「短歌」しか見当たらなかった。短歌じゃなくて短歌研究、研究、研究して、と思ったが、今日は諦めた。たぶん最新号は貸出し出来ないだろうし。
 水彩画の教則本のようなものを横に広げながら、館内の机で水彩絵の具の用具を広げて画を塗っているおじいさんがいて、ツワモノだぁ、と思った。