薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

凍死と冬眠、対数螺旋

 なんだこの寒さは! 寒過ぎて毛布のなかで寝ました。寒過ぎる場所で眠くなったので意識が消えたという話は、それは凍死だ。でも眠りからまた目覚めたので私は生き返ったわけで、復活ですよ。凄いね、こいつ凍死したのに息吹き返したよ、みたいな。いや、そんなことはなんも本気で考えていません。

 対数螺旋のことは小説に書いたことがあるのと、エピソードをご存知の方には得々として語るなよ、と不快感を与えるかも知れませんが、ヤコブ・ベルヌーイ(1654-1705年)という数学者がいて、自分の墓碑に対数螺旋を彫って欲しいと遺言をして死んだのですよ。対数螺旋というものは「私は何度でも復活する」という意味の象徴です。しかし墓石職人は指数対数と関数についての知識が浅かったので、愚鈍なことにベルヌーイの墓石に彫られたのはアルキメデス螺旋でした。ベルヌーイの復活への希望と数学への愛情は最終的にそんな結末を迎えたのであった。墓碑になんと書いてあろうが特に死者に影響は出ないようにも思いますが。

 「私は幾らでも必ず復活する」って墓碑に彫ってね、っていう発言も只者ではないな。とは思う。何様でございますか?