薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

天下の天下の天下一品

 夜に家人Cさんの運転で、『天下一品』という拉麺屋さんに連れていって貰った。初めての天下一品である。しかも展開されたチェーン店ではなく総本店である。総本山みたいだ。京都って宇治茶とかお漬け物とか八ッ橋とか云うけれど、素敵な拉麺屋さんが多いのだ。これ要チェックね、ていうか常識かも知れん。私はあまり常識に詳しくない。

 兎角の風聞のある「まじで濃厚」で「汁のなかでお箸が立つ」と云われる天下一品である。折角なので大蒜も抜かない(この為、明日誰かと面会してはいけないとCさんは云った)実家を出るまで大蒜を食べたことが無かったのだが、意外や意外好きではないか。17年間食べられないものだと思っていた食材がこんなに美味しそうなオーラの持ち主だなんてね。二十歳前にして考えたードラマで云ったらなんまいだー味覚って一体なんだろなー(神門さんのラップ。いや、うそ)

 スタンダードな拉麺をお願いして、Cさんとふたりで餃子を一皿。拉麺に、夢中。あたまの中でコラーゲン・コラーゲン・コラーゲン! とちゃらけた音楽が鳴る。美味しかった。食べたあとすぐ食べたくなるくらいに美味しかったし、なんとなくアトラクション的に楽しかった。美味しい食事を出してくれるお店をアトラクションと云っては失礼かしら。店内のBGMで「残酷な天使のテーゼ」が流れていて、そっちも濃いし汁も濃い。と、どうでも良いことを思った。

 脂とコラーゲンの見分け方がよくわかんないときがあるけれど、コラーゲンが分解されると爪とか髪とかが綺麗になるんだよ。たぶんね。肌とかね、たぶん♪

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 雪の舞う駐車場に戻ると、天下一品の裏側にひっそりと「小川珈琲」があった。小川珈琲も美味しいんですよ。あと、小川珈琲のご子息の小川くんは、小学生のとき優しい感じの良い子でしたって個人情報に触れたぞ今! 触れたぞ今!

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 その後マックカフェが併設され雰囲気が一変した、わら天神前のマクドナルドにてのんびりこんびりしたのだった。Cさんは深くて背も大きな黄緑色の椅子がお気に入りのようで、ユは電源のある席に行きたい……とそっと訴えてみましたが、その素敵椅子の席に陣取ることを強行。バッテリの減りを見ながら作業。赤い尖り型のニットキャップを被ったひとが三ヶ所の違うグループに1名ずつ居て、何だろうあれ、キャンペーン? と、思った。きちんと落ちてくる雪は律儀だとも思った。写真に撮ったら流星群のようになった。夜中のマクドナルドは楽しいものだった。しかし改装前と雰囲気は本当に違うなあと思う。幼いときから馴染んでいた場所だから何かを失くした気分が少しした。


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