薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

tsuki / monato

 仲秋の名月ということで台灣は祝日でした。家人Cさんはお仕事が休みでしたが、しかし仕事があるとのことで会社にゆきました。ままならないものです。しかし満月の為に祝日になるなんて素敵な國です。

月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

       (詠み人知らず)

 小学生の頃、祖父と夜空を見上げながら歩くときに、祖父の口から聞かされた歌が私に浸透して、もうきっと事故でも起こらない限り、私は一生これを憶えているのだろうと思います。そういう言葉たちが自分を構成しているものなのだと、もしかしたら(自分にとっての)世界を構成しているものなのだろうとまで、思っています。しかし今夜は月を観ることもなくいつも通り仕事をしていました。叙情の無い人間のようです。外では子どもの声が聞こえ、何かのお祭りをしているのだろうと思いました。いつもは家に居る時間に外に出て遊ぶ子どもは非日常のお祭りにはしゃいでいてとても可愛いです。