薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

江國香織『号泣する準備はできていた』

 再読。短篇集。あとがきによると、

 短篇集、といっても様々なお菓子の詰め合わされた箱のようなものではなく、ひと袋のドロップという感じです。色や味は違っていても、成分はおなじで、大きさもまるさもだいたいおなじ、という風なつもりです。

 と、著者は書いていて、だからなのか、飴を嘗め始めたら立て続けに包み紙をほどいてしまうように一冊を読んだ。

   δ

 「じゃこじゃこのビスケット」という単語は、以前文学フリマのアンソロジーに参加させて頂いたときに書いた、江國香織トリビュート小説でも使った表現だ。私は全く、じゃこじゃこのビスケットみたいなむすめだった、という具合に。もう一度あの小説を書き詰めたいなと思った。出版するとしたらこれは江國香織さんか出版社さんに(各社に?)了承を取った方が良いのか、ちょっと考え込む。