薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

風邪・電離・遊離・融解・解答・透析

 風邪をひいています。ずっと昏々と眠っていました。今回の風邪は長い。変梃な咳がずっと出ることと、webのニュースをチラ見したら「マイコプラズマ肺炎患者急上昇」という記事を見てしまったので、ビビって聴診を受けにいきました。たぶん変なぜいぜい呼吸雑音は無かったようで、肺炎の恐れはなく。MAICO2010ではなかった。抗生物質はもう少し先に取っておきたので、と総合感冒薬などを貰う。胃薬(ロキソニンと一緒に服用する。ロキソニンだけをいつものんでいると、胃を悪くするのだよ、明智くん)がセルベックスの錠剤だろうと高を括っていたら、何故かこちらも粉末のお薬でした。薬局で物凄くビビって挙動不審になるわたくし。

  ***

 風邪をひいた熱のなかでの眠りは、夢が普段に増して錯綜します。色々書き留めたいものですが、一番面白かったのは、こみちみつこ氏がウェディングドレスを着たり一緒に電車に乗ったりわたしにもウェディングドレスを差し出したりと色々と長いあいだ幻惑してきたあとで、謎解きが始まるというものでした。みちさんは呪文のような言葉を囁いてきて、様々な言葉たちが捻れるように繋ぎゆき、わたしは本当に当惑しながらウェディングドレス姿のみちさんを目を丸くしてみつめていました。呪文は最後に答えとして綺麗にほどけるもののように絡み合い、それはみちさんが計画しそうな(というのはわたしの勝手な推測なのですが)綿密な伏線に満ちていました。

 みちさんは夢の最後の方でこう云います。「つまりこれはゼミの試行だったのです」「ゼミ?」わたしは問い返します。「何のゼミですか?」
 「ゆうかいです」
 みちさんはそう云います。誘拐?

  ***

その次の夢にはみちさんは登場しませんが、わたしは理科の授業を受けています。教師がわたしを指名して「この現象を何と云うか」と問います。わたしは、云います。
 「ゆうかいです」
 わたしは何処かで知ったその言葉を唇にのせます。でも、めざめて考えると、融解ではなくあれは遊離ではなかっただろうか。遊離だったと思う。今はもう訂正出来ないし、わたしが口にしたかった言葉は絶対にそのときは、「ゆうかい」だったのでした。