薄荷塔ニッキ

飛び石を渉れない。

水木しげるさん逝去。

 ゲゲゲの鬼太郎も墓場の鬼太郎もコケカキイキイもひとつも読んでいないのですが、水木しげる先生の世界は私の生まれたときから既に完成していたから、「何処かしら架空の妖怪の世界」ではなく、「隣り合わせにある墓場は鬼太郎の世界」という感覚だった。今でもそうだ。微妙な云い様でこれは伝わるのだろうか。鬼太郎は、居た。まあ、ドラえもんが居るのと同じことというか。ドラえもん居ないけど。いや居るでしょ。

 それでも1冊も読んだこともなくて最近の朝のドラマのなんかあれ(?)も知らなくて、たぶん同級生の男の子たちは同じように読んだりアニメを観ていなかったりした子でも、取り敢えず目玉オヤジの真似だけはしていた。可笑しい。

 中学に入ったとき、新書コーナーに妖怪についての本があって、図版入りで水木しげる著だった。それは借りた記憶がある。著書のなかで読んだのはそれのみだ。今後に期待。

 ご冥福を。
 何年かしたら、『冥土探訪記』みたいな本が何食わぬ顔で本屋にあるような気がしてしまいます。うちの家ではコケカキイキイとよく云います。